特集 外科外来マニュアル
私の治療
上肢・下肢
爪下血腫
若林 利重
1
1東京警察病院外科
pp.692-693
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207989
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□概説
爪下血腫は爪の圧迫によつておこる.種々の発生機転があるがドアで指を狭んだり,重くて硬いものが指,趾の上に落ちたり,靴で趾を踏まれたりしておこることが多い.しかし窮屈な靴を穿いてスポーツをしたり遠路をしたようなときにもよくおこる.しかし窮屈な靴を穿いてスポーツをしたり登山をしたようなときにもおこることがある.爪体下部の血腫は境界が鮮明であり暗赤色を呈する.爪根部のものは爪根部の皮膚(爪根部爪郭,上爪皮)が淡赤紫色を呈し腫脹隆起する,瞬間的外力によつておこつたものでは出血によつて爪下の内圧が急激にあがるため搏動性の疼痛がおこる.窮屈な靴のような反復性刺激によるものでは著明な疼痛を伴わない.爪下血腫は普通非開放性のものであり直接感染を伴うことはない.血腫の大きさ,発生部位は種々であり,外科的治療を要するものと湿布のみで治癒するものとがある.
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