特集 外科外来マニュアル
私の治療
胸部
女性乳房
真栄城 優夫
1
1沖繩県立中部病院外科
pp.725
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208002
- 有料閲覧
- 文献概要
□概説
女性乳房は,思春期にもつとも多く,両側のことが普通であるが,片側のみにみられることもある.乳頭部に限局した円板状の腫脹で,多少の圧痛を有する.新生児期や,40〜50歳台の中年期にみられることもある.通常は6ヵ月前後で消褪するが,中年期のものは,男性乳癌と鑑別を必要とする.片側性,表面不規則で硬く,乳頭より扁心性であることなどを参考にする.
組織学的には,乳管の増殖と,基質の浮腫がみられる.2年以上継続して存在する場合に,ホルモン学的な検索や,美容的見地からの外科的摘出が適応となる.
器質的原因として,Kleinfelter症候群,Reif−enstein症候群,耳下腺炎後の睾丸炎,外傷後の峯丸萎縮,睾丸腫瘍,副腎や脳下垂体の腫瘍,さらに肝硬変などが考慮される.その他,薬剤として,Spirnolacton,Reserpin,Melthyl-DOPA,Phenothiazide,INH,ジギトキシンなどの影響も言われている.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.