投稿論文 原著
当科における粉瘤疑い症例の検討
左近 見聡
1
,
樫山 和也
,
石山 智子
,
李 填鏞
,
高原 栄作
,
藤原 洸平
,
大城 由利恵
1友愛会友愛医療センター 形成外科・顎顔面外科・美容外科・美容皮膚科
キーワード:
ドレナージ
,
抗細菌剤
,
瘢痕
,
類皮囊胞
,
表皮囊胞
,
待機療法
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Epidermal Cyst
,
Drainage
,
Dermoid Cyst
,
Cicatrix
,
Watchful Waiting
pp.317-325
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174072
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臨床所見より粉瘤または粉瘤様の皮膚腫瘍と診断された1405例1702個を対象に、カルテを元に年齢、性別、腫瘍の部位、感染の有無、治療方法、病理組織学的検査の結果を調査した。その結果、初診時に感染を伴っていたのは432/1702個(25%)で、感染性腫瘤の186/432個(43%)に切開排膿を行い、他の246/432個(57%)に抗生剤の経口投与を行っていた。腫瘍の数は1個のものが1236/1405例(88%)と最も多く、多発のものは169/1405例(12%)であった。多発例は2個が124/169例(73%)と大部分を占めていた。病理組織学的検査を行った1423個のうち、類表皮囊腫が1381/1423個(97%)と大部分を占めていた。次いで、外毛根鞘囊腫が27個(1.9%)、瘢痕が8個(0.6%)、dermoid cystが7個(0.5%)であった。類表皮囊腫は40歳代男性に多く、顔面や背部に多発していた。外毛根鞘囊腫は中年女性に多かった。
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