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特集 レーザーと外科
レーザーメス
脳外科への導入
Introduction of the CO2 laser scalpel to neurosurgery
滝澤 利明
1
Toshiaki TAKIZAWA
1
1中央鉄道病院脳神経外科
pp.473-479
発行日 1982年4月20日
Published Date 1982/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207928
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脳外科用レーザー手術装置の開発
現代の脳外科は1926年に米国のCushing1)がはじめて電気メスを臨床に導入した時に始つたと言つてよい.脳外科手術は出血との不断の闘いであるから有効な止血手段なくしてはどのような小さな手術も不可能である.有効な止血手段とは迅速,確実にして侵襲の少ない止血法であるが,一般外科と異なつてその解剖学的特殊性から結紮や止血鉗子は用いられない.従つて熱凝固を行う電気メス,双極電気凝固器が主要な武器であり,その他に止血クリップ,オキシセルワタ,ジェルフォーム,10%高調食塩水などが用いられている.
1960年に米国のMaiman2)によつて開発されたルビーレーザー以来,種々のレーザーが開発されたが,それらのうち1965年に米国のPatel3)により開発されたCO2レーザーが脳外科領域に最も適したレーザーであり,これにYAGレーザーが補助として用いられる.
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