Japanese
English
臨床報告
原発性肺クリプトコッカス症の1切除例と本邦報告例について
A case of primary pulmonary cryptococcosis and review of reported in Japan
中井 肇
1
,
坂井 邦典
1
,
笠原 潤治
1
,
原藤 和泉
1
,
米花 孝文
1
,
岡本 幹司
1
,
卜部 貴光
1
Hajime NAKAI
1
1中国中央病院外科
pp.1655-1658
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207824
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はじめに
クリプトコッカス症は,Cryptococcus neoformansによつて起こる感染症で,病原体は自然界に広く分布し,汚染された土壌,鳩の巣,鳩の排泄物などを介し,主に気道から侵入し,まず肺に原発巣を作り,次いで全身に播種され,髄膜炎などをおこすことが多いとされている.肺に限局し,他に播種されていない状態のクリプトコッカス症は,原発性肺クリプトコッカス症と定義されている.本症の術前診断は困難で,報告例の多くは,術中あるいは術後の検索で本症と診断されている.われわれは肺癌の術前診断で左上葉切除を行ない,術後,原発性肺クリプトコッカス症と診断された1症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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