Japanese
English
原著
皮膚原発クリプトコッカス症の1例
PRIMARY CUTANEOUS CRYPTOCOCCOSIS
高安 進
1
,
赤木 正志
2
,
清水 洋子
3
Susumu TAKAYASU
1
,
Masashi AKAGI
2
,
Yoko SHIMIZU
3
1大阪大学医学部皮膚科
2八尾市立病院皮膚科
3大阪大学医学部附属病院中央臨床検査科
1Department of Dermatology, University of Osaka School of Medicine
2Division of Dermatology, Yao City Hospital
3Central Laboratory for Clinical Investigation of Osaka University Hospital
pp.301-304
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201576
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要約 右頬に限局して痤瘡様丘疹を生じた37歳女性の皮膚原発クリプトコッカス症の1例を報告した.組織学的に表皮に変化なく,真皮全層にわたり密な肉芽腫性病変があり一部に膿瘍を形成する.PAS染色により巨細胞内および炎症性細胞浸潤の間に多数の菌要素が認められたが,ムチカルミン染色による莢膜の証明はできなかつた.しかし生検組織の培養によりC. neoformansを分離し,分離菌をマウス腹腔内に接種して腹水塗抹標本から典型的な厚い莢膜を証明した.一般検査では胸部レ線,喀痰培養を含めて異常を認めなかつた.皮疹は無処置で1カ月観察したところ次第に扁平化の傾向があつたが,ウンデシレン酸の外用を約1カ月間行ない全く扁平となり僅かに色素沈着を残して発生後約3カ月で治癒した.
また,本邦の皮膚原発クリプトコッカス症につき若干考察を加えた.
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