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特集 上部消化管出血—保存的止血法のトピックス
内視鏡を用いた止血法
バルーンタンポナーデ法
Endoscopic balloon tamponade for bleeding esophageal varices
出月 康夫
1
Yasuo IDEZUKI
1
1聖マリアンナ医大第1外科
pp.1053-1060
発行日 1981年7月20日
Published Date 1981/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207744
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はじめに
盲目的に行なわれる手術操作や処置は不確実であり,危険が伴う.種々の操作や処置は直視下に行なうのが原則であり,また安全かつ確実である.部位によつてこれがどうしても不可能な場合には,次善の策として,X線,内視鏡,超音波などを利用して直視下に近い条件を実現することにより,安全性と確実性を向上させることができる.
食道および噴門部静脈瘤破裂に対する緊急止血処置として従来から実施されてきたバルーンタンポナーデ法は,誰にでもできる簡単な方法であり,またバルーンによる圧迫が適切に行なわれれば確実に止血することが可能である1).しかし①出血部位を正確に確かめずに,②盲目的に圧迫がなされるために,止血に失敗することも多く,またこの方法による合併症の報告も少なくない1〜4,10).
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