特集 術後1週間の患者管理
痔核手術
小金澤 滋
1
,
太田 一朝
2
1佼成病院肛門病センター
2佼成病院麻酔科
pp.657-659
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207684
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術後管理のポイント
1.術中管理
痔核手術における麻酔は腰椎麻酔(サドルブロック)が主で,呼吸循環系臓器への影響は軽微である.患者が既往に肝硬変,心筋梗塞,重症高血圧症といつた特別の疾患がない限り,術中モニターは必ずしも必要ではない.
しかし術前に必ず静脈を確保し,術中は血圧,脈拍数のチェックが行なわれる.腰椎麻酔薬注入後15分は,患者の表情や態度によく注意し,話しかけて異常があれば,直ちに訴えられる状態にしておき,血圧測定を頻回に行なう.それから以後は間隔を延長するが,たとえ短時間に手術が終了しても,腰椎麻酔薬注入後1時間は観察を厳重にする必要がある.最近の知見でも,腰椎麻酔後の注入薬剤の固定は,30〜40分後でも薬剤の移動が認められており,この点に注意しないと,帰室後ショック死をひき起こし,裁判沙汰になつたことがある1).70歳以上の高齢者や肺合併症のある場合は,術前血液ガス分析検査が追加される.
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