特集 術後1週間の患者管理
前立腺摘出術
岡本 重禮
1
1聖路加国際病院泌尿器科
pp.613-617
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207674
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前立腺摘出術は前立腺肥大症に対する被膜下前立腺腺腫摘除術の総称であり,大別して開放的手術と内視鏡的手術があるが,手技の如何を問わず,対象が高齢者であるため,老人に共通する生理学的特殊性をふまえた術後管理が必要である.
すなわち全身的には心,肺,腎機能の余備力が予め低下していることを予想し,術後これらの庇護にことさら努め,合併症を防止する.
局所的には出血および感染のコントロールが最も重要であり,手術さえ成功していればこの両者を手ぎわよく管理することにより,前立腺摘出術は極めて安全な手術となつている.
最近では手術器具および材料の進歩と相俟つて,この両者の管理も容易になつてきてはいるものの,前立腺摘出術の本質にからむ問題もあり,依然として重視せざるをえない.
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