特集 術後1週間の患者管理
胃部分切除術
大久保 高明
1
1大久保病院外科
pp.481-485
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207651
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胃部分切除は,現在広くおこなわれており,術後管理といつても,他の消化管手術と根本的な差異はない.術前,緊急症例,合併症の有する症例などかなりpoorな症例もあるので,術前,事情の許す範囲内で,術前病態生理をはつきり把握することが必要である.一般的な合併症を有するものについては,他にゆずるとしても,胃癌では,広範なリンパ節郭清をともなう胃亜全摘,噴門切除,またあるstage以上では積極的に合併切除もおこなわれ,いわゆる過大侵襲例も多い.これらには,術後合併症の発生に十分な配慮が肝要である.他方,胃・十二指腸潰瘍に対しては,迷走神経切離合併例(Pyloroplastyを含む,われわれは別図の如き術前胃液分泌態度により術式を選択)も広くおこなわれるようになり,迷切(選胃迷切)+幽門洞切除術では,残胃運動減弱による術後早期胃内容停滞が,S. P. V(近位選迷切)合併術式には,術後アカラシヤ症状が問題となつている.
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