Japanese
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臨床研究
骨盤内臓器全摘術の成績と経験
Total pelvic exenteration
森 武生
1
,
富永 健
1
,
伊藤 一二
1
Takeo MORI
1
,
Takeshi TOMINAGA
1
,
Ichiji ITOH
1
1東京都立駒込病院外科
pp.103-110
発行日 1981年1月20日
Published Date 1981/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207595
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はじめに
近年日本では大腸癌は増加の傾向にあり,進行度により骨盤腔内の臓器を合併切除する機会も多い.骨盤腔内は泌尿器系,生殖器系,S状結腸直腸等が膜一重で隣接しており,大腸癌のみならず泌尿生殖器系の悪性腫瘍でも隣接臓器に対する解剖学的理解と術式の習熟が必要である.従来この区域の広範囲局所浸潤癌は姑息的な隣接臓器ギリギリの切除を行なうことが多く必然的に局所再発により予後不良となつたり,切除不能とされる傾向が強かつた.1960年Bricker1),Brunschwig6)等は骨盤内臓器全摘術について大きなシリーズで優秀な成績を発表したが,未だに十分にこの術式は流布していないようである.われわれは進行骨盤内悪性腫瘍に対し適応を拡大し良好な結果を得てきた.本稿においては,術式の詳細を述べ,適応に関する新しい考え方とその成績についても述べる.
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