Japanese
English
手術手技 難しい手術
直腸浸潤を伴う膀胱癌—骨盤内臓器全摘術
Surgical Method of the Bladder Carcinoma Invaded to the Rectal Colon (Pelvic Exenteration)
長久保 一朗
1
,
白木 良一
1
,
藤岡 俊夫
1
,
斉藤 史郎
1
,
花井 俊典
1
,
月脚 靖彦
1
Ichiro Nagakubo
1
,
Ryoichi Shiroki
1
,
Toshio Fujioka
1
,
Shiro Saito
1
,
Shunsuke Hanai
1
,
Yasuhiko Tsukiashi
1
1立川共済病院泌尿器科
1Urology, Tachikawa Kyosai Hospital
pp.763-769
発行日 1990年9月20日
Published Date 1990/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900157
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泌尿器科領域において,膀胱癌が直腸等の隣接臓器に浸潤することは比較的稀である.反対に子宮癌や直腸,S状結腸癌が膀胱に浸潤する場合の方がしばしば見られる1).特に女性の場合は膀胱と子宮の間には腟が介在しており,直腸に膀胱癌が浸潤するには,腫瘍の進行速度が早いか,腫瘍がかなり大きくなって浸潤するか,子宮癌術後の再発以外にあり得ない.また,直腸癌の場合は前立腺と精嚢腺が介在しており,膀胱に浸潤する場合は比較的少ない.S状結腸の癌が膀胱に浸潤する場合は浸潤部位が膀胱の頂部に近いこと,腫瘍が腺癌であることより,よほど広範囲でない限り,S状結腸の切除と膀胱部分切除のみで手術を終了することができる.我々は膀胱癌が直腸に浸潤した場合には,癌が遠隔転移のないかぎり骨盤内臓器全摘術を施行している.当立川共済病院では1973年6月より1990年6月までに64例の骨盤内臓器全摘術pelvic exenterationを施行した.そのうち膀胱および尿道の癌は13例であった.骨盤内臓器全摘術の手術法を中心に述べる.
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