Japanese
English
臨床研究
人癌免疫RNA感作リンパ球の抗腫瘍性の交叉性について
Cross-immunity of lymphocytes sensitized with human tumor-specific immune RNA
西川 鼎二
1
,
山内 誠
1
,
佐藤 守三
1
,
石岡 隆
1
,
高嶋 一敏
1
,
佐藤 浩一
1
,
町田 清朗
1
,
福島 松郎
1
,
鯉江 久昭
1
Teiji NISHIKAWA
1
1弘前大学医学部第1外科
pp.549-555
発行日 1980年4月20日
Published Date 1980/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207423
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はじめに
腫瘍特異抗原の存在の証明に始まる腫瘍免疫は,以来多くの研究が成されているが,腫瘍免疫の人癌への応用を考える時,その共通抗原性の問題が重要である.Sjögren1,2)による同一ウイルス腫瘍の共通抗原性の報告があり,また,化学誘発癌の共通抗原性の存在に関して臼淵ら3,4)は同系C3H/Heマウスの異なる乳癌間および乳癌とMCA肉腫間に交叉免疫を認めている.さらには人癌細胞間の共通抗原性の存在を示唆する報告も見られる5-8).著者らはこれまで腫瘍免疫RNA感作リンパ球の抗腫瘍性効果を実験動物およびヒト悪性腫瘍を用いてin vivoならびにin vitroで報告9-12)してきたが,免疫RNA感作リンパ球がヒト他家各種悪性腫瘍に対しても抗腫瘍効果を発揮し得るか否か,すなわち,著者らの用いた癌抗原に腫瘍間共通抗原性が存在し免疫RNA感作リンパ球が抗腫瘍性の交叉性を示すか否か,さらに,各種癌患者の腫瘍の組織型およびHLAと抗腫瘍性の交叉性との相関性についても検索したので報告する.
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