今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床
リンパ球の基礎
リンパ球と自己免疫
大藤 真
1
,
太田 善介
1
1岡山大第3内科
pp.1202-1204
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206727
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はじめに
最近のリンパ球に関する研究の進歩はめざましく,とくにT cell(thymus derived lymphocyte),B cell(bone marrow derived lymphocyteまたはbursa equivalent organ derived lymphocyte)の概念が,鳥類を用いたオーストラリアのWarnerらの研究や,マウスを用いたアメリカのClaman一派,オーストラリアのMiller一派の研究により確立されて以来,免疫現象は両細胞系の相互関係により理解されるようになった1).自己免疫疾患は,生体の正常構成成分に対して産生された血中抗体あるいは細胞性免疫によって惹起された病態であるが,本疾患群の自己免疫の成立についても,T cell,B cell論によって推論されるようになった.本稿においては自己免疫疾患をT cell,B cellの立場より考察したい.
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