Japanese
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特集 食道癌手術の近況
胸部下部・腹部食道癌の手術—胸骨正中切開による切除の可能性について
Surgical techniques on carcinoma of the lower esophagus;resectability under median sternotomy
和田 達雄
1
,
丸山 雄二
1
,
片山 憲恃
1
,
小西 敏郎
1
,
高浜 龍彦
1
,
山村 卓也
1
Tatsuo WADA
1
1東京大学医学部第2外科
pp.1245-1252
発行日 1978年9月20日
Published Date 1978/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207019
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はじめに
食道壁内の脈管系は,縦軸方向にきわめて豊富な吻合をもって連絡されている.したがつて,食道癌の壁内浸潤やリンパ節転移は縦軸方向に進展しやすい.
食道癌の根治的切除に当つては,これらの浸潤や転移を除去するために,できるだけ縦軸方向に広い範囲の切除や廓清を行なわなければならないことは周知の事実である.たとえ,主病巣が下部食道や腹部食道を占居する場合であつても,癌がある程度進行した例では,胸部食道の全摘,胃の噴門側1/2を切除するとともに,縦隔内,腹腔内のリンパ節はもちろんのこと,頸部リンパ節まで廓清しなければ根治的な切除が不可能な場合がある.
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