カラーグラフ 消化器内視鏡シリーズ・38
胃スキルス
磨伊 正義
1
,
秋本 龍一
1
,
中川原 儀三
1
,
渡辺 騏七郎
2
1金沢大学がん研外科
2国立金沢病院病理
pp.1214-1215
発行日 1978年9月20日
Published Date 1978/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207014
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進行性胃癌の中でもスキルス(linitis plastica ca., diffuse ca.)は特異な進展形式を呈するため,診断並びに治療上の盲点として今後に残された問題が多い.佐野,下田らは浸潤形式の差異によりスキルスには巨大皺襞型と粘膜萎縮型の2通りの肉眼像が存在することを指摘している(図①).巨大皺襞型は癌の深部浸潤による壁硬化のため2次的に肥大性変化を来したものであり,粘膜萎縮型はリンパ行性に粘膜内に癌が浸潤,広範な粘膜内浸潤を来たすもので,粘膜ひだは消失し,平坦な肉眼像を呈する.前者はより若年者で,慢性胃炎の程度の少ないものに,後者はより高齢者で胃炎性変化の高度のものにみられる傾向がある.
図②は巨大皺襞型の1例で,体部大彎にメネトリエ病でみられるようなgiant foldsを認め,著明に肥厚する粘膜ひだ間の小潰瘍よりの生検により癌と診断された.
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