Japanese
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今月の主題 胃スキルスの病理
座談会
胃スキルスの病理
Panel Discussion―Scirrhous Carcinoma of Stomach
下田 忠和
1
,
吉井 隆博
2
,
望月 孝規
3
,
中村 恭一
4
,
渡辺 英伸
5
,
岡部 治弥
6
,
村上 忠重
7
T. Murakami
7
1東京慈恵会医科大学第2病理
2埼玉医科大学第1病理
3東京都立駒込病院病理学科
4筑波大学基礎医学系病理
5九州大学病理学教室第2講座
6北里大学内科
7東京医科歯科大学第1外科
pp.1306-1320
発行日 1976年10月25日
Published Date 1976/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107450
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司会 佐野量造先生の御不幸は私どもにとって大変な痛手でしたが,あとで早期胃癌の再発ではないということがわかったことはせめてもの救いでした.しかし私どもとしては彼の死を惜しんでもあまりあるものと感じています.その佐野さんを記念するためにということで,いろいろ考えたわけですが,佐野先生が最後に手がけておられたテーマの中に「胃のスキルス」があります.これを取り上げて,特集号をつくろうじゃないかというのが本号企画の経緯です.
スキルスは臨床家にとっては非常にいやなものであります.というのは現実に,臨床でスキルスにぶつかるのは胃癌と乳癌ぐらいで,大腸とか,肝臓とか,そのほかはあまり──ないことはありませんけれども──典型的なスキルスにはお目にかからない.そうしたことで胃を取り扱っている者にとっては,ほかの臓器の癌と比べると,一種特別な病気のような気がします.
どうして胃に多いのかということを,佐野先生が病理学者であったこともありますから,特に病理の先生方に胃のスキルスについて論文を書いていただくことになりました.今日は,その著者の方にお集まりいただいてそのお考えのよって来たるところを言葉で解説していただいて論文を読めばわかるはずですが読者の理解を助けたいというのが,この座談会の目的です.
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