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特集 臓器大量切除と栄養
大腸広範切除と栄養—大腸全摘(亜全摘)術後障害の対策と栄養管理
Management of postoperative sequelae and nutritional problems following total or subtotal colectomy
村上 哲之
1
,
今 充
2
,
遠山 茂
1
,
大内 清太
1
Tetsuyuki MURAKAMI
1
1弘前大学医学部第2外科
2弘前大学教育学部看護科外科
pp.985-993
発行日 1978年7月20日
Published Date 1978/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206985
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はじめに
近年,わが国では潰瘍性大腸炎,大腸ポリポージス,大腸憩室疾患,大腸クローン病などの疾患を経験することが多くなつてきた.このような情勢のもとに大腸の手術手技の向上と術前・術中・術後管理および麻酔の進歩に伴つて,大腸全摘(亜全摘)が安全にしかも積極的に施行されている.
大腸全摘(亜全摘)は他の臓器大量切除に比してその術後障害が比較的軽微であるにしても,大腸全摘は大腸機能脱落と肛門括約筋機能廃絶をもたらし,大腸亜全摘は大腸機能低下をきたすことは想像にかたくない.すなわち,大腸の機能喪失や機能低下は術後に水様性下痢を必発し,水分・電解質の異常喪失はもちろんのこと消化吸収,代謝の面で種々なる障害をもたらす.しかしこのような障害は術直後から発生することはもちろんであるが,かかる障害は長くとも数ヵ月の間にみられるのが通例で,一般には回腸末端における代償作用すなわち大腸化(colonization)がみられるためと判断される.
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