カラーグラフ 消化器内視鏡シリーズ・36
十二指腸球後潰瘍
藤田 力也
1,2
,
大沢 仁
2
,
高橋 正憲
2
1昭和大学藤が丘病院
2東京大学第4内科
pp.934-935
発行日 1978年7月20日
Published Date 1978/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206978
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十二指腸球後潰瘍は比較的稀な病変である.十二指腸潰瘍と言えば,その90〜95%は球部内に発生するもので,残り5〜10%が球後潰瘍ということになる.しかし,筆者らの内視鏡検査を主にした経験では,さらに頻度は低い印象をもつている.
球部と球後部の境界は,図①に示すように,前者はX線学的には長軸に走る襞を有し,内視鏡では空気を十分入れて伸展するとひだを認めないのに対し,後者は,X線学的にも内視鏡的にも輪状襞を認めることで区別できる.解剖学的分類によつてもいわゆる十二指腸第一部は球部と上十二指腸角部(SDAと略)からなつており,第一部と球部は同義語ではない.この部には先天的にもVariationが多いが,Schinz,Prévôt,Bockusの成書にも,球後部潰瘍部位の定義について詳しい記載はない.
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