特集 目でみる話題の消化器手術
Selective Proxymal Vagotomy without Drainage Procedure
大野 博通
1
,
中村 哲彦
1
,
北原 哲夫
1
Hiroyuki OHNO
1
1東京逓信病院外科
pp.1499-1504
発行日 1977年12月20日
Published Date 1977/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206855
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この手術の意義と適応
Selective proxymal vagotomy(SPV)は,胃壁細胞領域の脱神経により減酸効果を得る一方,迷走神経の肝枝,腹腔枝のみならず,胃前庭部の神経支配をも温存することにより,種々の迷切後障害を防止するとともに,胃運動機能の障害を最少にしようとする術式である.
この術式には,幽門形成術などの誘導術を付加する場合(SPVcD)と,付加しない場合(SPVsD)があり,後者を理想とするが,手術適応となる十二指腸潰瘍には狭窄例も多く,すべての症例にSPVsDを適用することはできない.したがつてSPVsDは,あくまでも厳密な適応基準のもとに,症例を選択して施行すべきである.
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