Japanese
English
臨床研究
腓骨動脈再建術
Revascularization of the fibular artery
伊藤 勝朗
1
,
生駒 義人
1
,
山本 文雄
1
,
須江 秀一
1
,
中村 和夫
1
Katsuaki ITOH
1
1鳥取大学医学部第2外科
pp.1049-1053
発行日 1977年8月20日
Published Date 1977/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206796
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はじめに
1960年初頭から始められた下腿動脈再建術はmicro—surgeryの技術発展と相まつて近年著しい発展を示し,なかでも後脛骨動脈再建術はもはや確立された手術術式の観がある.しかし,前脛骨動脈および腓骨動脈に関しては技術上なお多くの問題点が未解決のまま残されており,ことに腓骨動脈再建の歴史はまだ日が浅く,未開拓の分野といえよう.
腓骨動脈に関しては,従来ともすれば,その機能ないし臨床的価値を無視されがちであつたが,近年に至つてこの動脈が脛骨動脈,ことに骨間膜を貫いての前脛骨動脈との豊富な側副血行路を形成することが発見されるに及んで,ようやくその価値が見直されてきた1,2).たとえば腓骨動脈は下腿3動脈の中で最も閉塞性病変に侵され難い血管,あるいは最後に侵される血管であり3,4),本動脈の再建は,肢切断の危険がさし迫つた重症下肢阻血症例にとつて残された唯一の治療手段となることが多い.
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