Japanese
English
臨床報告
急性全身性激症型輸入アメーバ症の1例
A case of imported amebiasis presenting acute fluminant systemic lesions
須江 秀一
1
,
伊藤 勝朗
1
,
生駒 義人
1
,
岡野 一廣
1
,
原 宏
1
,
山根 洋右
2
,
山崎 郁雄
3
Shuichi SUE
1
1鳥取大学医学部第2外科
2島根医科大学環境保健医学
3鳥取大学医学部第2病理
pp.1321-1324
発行日 1979年8月20日
Published Date 1979/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207268
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はじめに
わが国でのアメーバ症は,戦後一時的な増加がみられたが,その後,衛生思想の浸透と共に漸減傾向を示し,近年では非常にまれな疾患となつている.一般にアメーバ症は慢性の経過をとるものが多いと言われているが,南方由来の輸入アメーバによるものは経過が急性で,その上毒性が強いとされている.著者らは最近,腸潰瘍形成および肝膿瘍形成を主とする急性全身性激症型赤痢アメーバ症の一例を経験したが,近年の海外旅行の激増に伴い,このような普段はなじみのない伝染病の輸入が今後,あるいは増加することも当然予想される.
輸入アメーバ症に対する注意を改めて喚起すると共に,われわれが治療上直面した数々の問題点について若干の検討を加えたので,ここに報告し,諸賢のご参考に供したい.
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