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成分栄養法
Elemental diet
小越 章平
1
,
碓井 貞仁
1
Shohei OGOSHI
1
1千葉大学医学部第2外科
pp.230-232
発行日 1977年2月20日
Published Date 1977/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206683
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"成分栄養"その沿革
われわれが"成分栄養法"と呼んでいるelemental dietの研究の歴史は古く,Roseらのアミノ酸比率から立脚して,1957年はじめてGreesteinがchemically defined dietsという名称で,ラットの実験成績を発表した.その論文発表の2年後にGreenstein(1902〜1959)は没したが,その後Winitzらによつて研究が引き続けられ,chemical dietとして製品化が進められていた.この間にNIHも力を入れ,ロケットで有名なNASAの莫大な資金力が加わつて,栄養的なバランスがとれ,しかも低残渣のため宇宙飛行士達の食事としての応用化が進められた.これが宇宙食(space diets)とも言われるゆえんである.Winitz自身,技術担当の副社長としてVivonexという商品名で1969年に市販されたが,当初宇宙食あるいはウェイト・コントロール用のいわゆる美容食といつた観念がもたれていた.しかしこのchemical dietは,その後種々の生理的効果のために医療品として広い用途のあることがわかった.外科方面への応用で,はじめてelemental dietという名称を用いたのは1969年Stephensらである.
経中心静脈高カロリー輸液〔hyperalimentation (I-VH)〕が,外科医Dudrickらによりはじめられ,基礎的研究の期間が短く,はなばなしい臨床効果が先立ったのとは対称的に,elemental diet (ED)は生化学者達の長い基礎実験後に臨床応用へと進み,現在ではIVHとならんで,特に米国とカナダで盛んとなつた.
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