Japanese
English
特集 術後の急性機能不全
術後心筋梗塞
Postoperative myocardial infarction
牧野 永城
1
,
西條 正城
2
,
佐藤 光史
1
,
木村 光博
1
,
青木 恵一
1
Eiki MAKINO
1
1聖路加国際病院外科
2現 川崎市立井田病院外科
pp.1405-1409
発行日 1976年11月20日
Published Date 1976/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206615
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はじめに
近年の麻酔や外科学の進歩にともなつて手術適応が拡大され,また人口の老齢化にともなつて循環器系に問題のある患者に手術を行なう機会も多くなつた.そのため心筋梗塞の既往歴のある患者に手術することも珍らしくなくなつたが,その際誰しも一応は考えることはその手術にともなうリスクのことであろう.従来大体常識的な判断として,古い心筋梗塞は手術の禁忌とならないし1),急性心筋梗塞なら,病変が安定するに要する最少の期間として6週間位は緊急手術以外は避けた方がよいだろうというようなことであつた2).
わが国は元来欧米諸国に比べて心筋梗塞が少なかつたせいか,従来この問題に広い関心は払われてこなかつたように思う.わが国における疾患の欧米化にともなつて近年心筋梗塞も増え,外科医も無関心であり得なくなつてきたといえよう.
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