Japanese
English
特集 重度外傷
多重外傷の取扱い—四肢を中心として
Management of the multiple injuries;especially of the extremities
桜田 允也
1,2
Nobuya SAKURADA
1,2
1済生会神奈川県病院
2神奈川県交通救急センター整形外科
pp.869-875
発行日 1976年7月20日
Published Date 1976/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206543
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はじめに
最近の交通機関の発達,建築物の高層化,産業の機械化,大型化は見覚ましいものがある.しかしこれらのことは一旦誤れば大きな外力となつてふりかかつて来る.そして外力を受けた部分の損傷が大きくなると共に,外力を受ける部位の増加となり,多発性の損傷が増加する.多発性の損傷のある症例に対して如何に取扱うべきかを画一的に定めることは困難で,個々の症例について最も適当と考えられる方法を選ぶべきである.しかし原則的には救命を第一とし,まず全身状態のチェックと管理,次で直接生命に影響を与える損傷の治療,将来の機能に影響を与える損傷の治療の順序となるであろう.
四肢を中心とする重複外傷には,頭部,胸,腹部内臓器の損傷を合併した四肢損傷の場合と,四肢において数箇所の損傷を合併した例の2つに大別される.私はさきに頭,胸,腹部内臓器損傷を伴う場合の四肢の損傷の処置について述べたので,今回は四肢において数箇所の損傷を受けた場合について,最近の若干の症例を挙げて述べる.
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