Japanese
English
特集 重度外傷
多重外傷の取扱い—腹部を中心として
Management of abdominal injuries in the multiple compound trauma
真栄城 優夫
1
Masao MAESHIRO
1
1沖繩県立中部病院外科
pp.853-857
発行日 1976年7月20日
Published Date 1976/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206541
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はじめに
多発性重複外傷では,損傷臓器や部位が複数にわたるので,単独腹部損傷とは病態の異なることも少なくない7,9).即ち,出血性ショックの発現頻度が高く,初期resuscitationの後に呼吸不全をきたすことも多く,更には腎不全や敗血症などの二次的合併症を起こしてくる.死亡来院した腹部外傷患者の97%は,腹部以外の器官に損傷のある多発合併損傷であるとのDeBakeyの報告2),あるいは,DiVicenti1)や須藤8)等の述べているように,多発性腹部合併損傷の手術死亡率は単独損傷の3倍であるなどはこの間の事情を物語つている.
複雑な多発合併損傷を伴つた外傷患者の実際の診療に際して,如何に腹部外傷の存在を判断し,如何に治療し,何時開腹するのかを中心に,他の部位の手術と腹部手術の優先順序を如何に決定していくのか述べていきたい.
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