Japanese
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臨床研究
多核巨細胞の出現する慢性化膿性乳腺炎—自験例の臨床的,細胞学的,組織学的所見とその病因発生に関する考察
Chronic purulent mastitis appearance of multinuclear giant cell
松本 英世
1
,
長尾 和治
2
,
松本 忠
2
,
近藤 浩幸
2
Hideyo MATSUMOTO
1
1熊本市立市民病院中検病理
2熊本市立市民病院外科
pp.789-793
発行日 1976年6月20日
Published Date 1976/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206531
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久留等2)は慢性化膿性乳腺炎は徐々に進行し,乳腺内の不規則な硬結を主訴に組織検査の対象となることが多いとのべている.私どもも最近,限局性腫瘤を形成する慢性乳腺炎の3例を経験したがこれらの組織学的検索で多核巨細胞の出現が多いことに気付いた.
一方形質細胞乳腺炎5,10)とよばれる特異な乳腺炎の存在が報告されている.この場合浸潤細胞に形質細胞が多いのは名称の示す通りであるが,その外多核巨細胞の出現がよく記録されており,ここにも慢性化膿性乳腺炎と形質細胞乳腺炎の接点をみいだすわけであるし,久留等2)もまた形質細胞乳腺炎は広い意味で慢性化膿性乳腺炎に含めるとしている.
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