運動器の細胞/知っておきたい
多核巨細胞(multinucleated giant cells)
穴澤 卯圭
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学
pp.1518-1520
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100890
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【はじめに】
一般に運動器における多核巨細胞としては,骨の吸収に携わる破骨細胞,感染などの炎症,異物反応の結果として生じる反応性の巨細胞があげられる.さらに,骨軟部腫瘍性疾患では,骨および腱鞘巨細胞腫などで破骨細胞様巨細胞が観察される.破骨細胞については,近年その分化形成のメカニズムの研究が急速に進んでいる.一方,反応性の巨細胞の詳細な形成機構はいまだ明らかではない.さらに,破骨細胞様巨細胞についても,その形態,機能が破骨細胞に酷似し,破骨細胞のモデルとして使用されているにもかかわらず,その本態は明らかでない.本稿では,多核巨細胞の起源,形態学的な特徴および機能について破骨細胞,異物巨細胞,破骨細胞様巨細胞を比較して述べる.
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