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特集 急性腹症のX線像
EDITORIAL
急性腹症への姿勢
Intuition essential in treatment of the acute abdomen
斉藤 淏
1
Kiyoshi SAITO
1
1私学共済下谷病院
pp.274-275
発行日 1976年3月20日
Published Date 1976/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206452
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- Abstract 文献概要
突発した腹痛を主症状とした経験例を思い起こしてみるに,急性出血例や外傷例を除外しても,実に多種多様で,単に消化器など1つの診療科に止まらず広い範囲にわたつている.しかし臨床の実際においては,その多くがこともなげにスムーズに処理されていた.例をあげるまでもないが,急性胃腸カタル,虫垂炎,潰瘍穿孔,外妊破裂,イレウス,胆石,尿路結石,ヘルニア嵌屯,狭心症,肺炎,ノイローゼ,等々.よくも敏速にしかも適確に処置したものかと,思い出してただ驚くのほかないものがある.もつともその多くには特異な症状が併存していたのであろうが,そのような時には急性腹症の文字をすつかり忘れていたことは否定できない.
同じく腹痛を主症状としている症例に対面して,その取り扱い方に難渋し焦燥に駆られたことのあつたのも事実である.こんな時には急性腹症はまことに便利な字であるとつくづく思うのであつた.このような重大な病態に直面して,これと取り組んでいる多くの医師の様子を,次の2面から観察して命題に応答することにした.
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