特集 腹部緊急疾患におけるDo's & Don'ts
Do's and Don'ts—急性腹症
斉藤 淏
1
Kiyoshi SAITO
1
1下谷病院
pp.443-445
発行日 1974年4月20日
Published Date 1974/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206006
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"やるべきこと"と"やつてならぬこと"を急性腹症を巡つて簡明に述べるよう求められた.この用語は古くから広く愛用されているが,まず急性腹症の意味から吟味してかからねばならない.手近の文書についてみると,急性腹部疾患(加藤勝治著,医学辞典1969)ではあるが,緊急手術を必要とする疾患(Dorland,医学辞典1965)に止まらず,手術を要する疾患(本多憲児:臨外,28(10):1973)やそれらと鑑別を必要とする疾患群(南山堂編,医学大辞典1972)をも含めて解釈されるのが最も妥当であろう.従つてこの用語をかかげるときに取りあげられる疾患の数は甚だ多くなる.すなわち,罹患している臓器,組織の所在部位は,腹部のみならず,胸部,背部,頭部から下肢などにも及んでいる.また診療科別にみると,外科に限らず,婦人科,内科,小児科その他これらの境界領域にもまたがる,つまり全科にわたつていると言つてよい.
そこで,随時メモしていたもののなかから急性腹症の特性と思われる2,3を摘録して求めに答えてみたい.
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