カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・8
処置用ファイバースコープ—胃粘膜下腫瘍摘出術をめぐって
倉俣 英夫
1
,
衛藤 繁男
1
1神奈川県立成人病センター内視鏡室
pp.270-271
発行日 1976年3月20日
Published Date 1976/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206451
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1971年オリンパス光学により2チャンネルの処置用ファイバースコープ(T. G. F. -S. およびD.:大小2本の鉗子孔を有するファイバースコープで,これに合う2本の処置具を使い胃内での外科的処置をするのを目的としている)と,これに用いる各種処置具が作製されてから,胃内における経内視鏡的外科処置の分野は大きく開けてきた.(図①)筆者等はこれによりポリペクトミー(有茎〜無茎),胃粘膜のmassive biopsy(粘膜下層までとる),粘膜下病変の生検(広汎粘膜下病変〜粘膜下腫瘍),小さな粘膜下腫瘍の摘出(ポリペクトミーと同方法),食道,胃腸吻合狭窄部の切開等を高周波電気メス(切開),clip(止血,縫合),結紮を使つて試みた.
胃粘膜下腫瘍の経内視鏡的摘出術は外科処置の原則になる切開,止血,結紮,縫合の各種処置法の綜合によつてなしうる胃内手術である.筆者等は通常のポリペクトミーの方法でとれるような粘膜下腫瘍は除いて,1974年以降,経内視鏡的に摘出し得た粘膜下腫瘍は4例を有する(付表).ここにその1例を供覧し,今後の経内視鏡的手術の資料を提供しご批判を仰ぎたい(図②〜⑨,症例は横浜市立大学医学部第1外科提供).
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