Japanese
English
臨床研究
血液透析患者に対するisovolumicな腹水・胸水血液内注入法
Isovolumic infusion of abdominal or pleural effusion during hemodialysis
阿岸 鉄三
1
,
吉田 智
1
,
山形 桂仁
1
,
太田 隆志
1
,
岡沢 孜
1
,
小林 政美
1
,
太田 和夫
1
Tetsuzo AGISHI
1
1東京女子医科大学人工腎臓センター
pp.87-90
発行日 1976年1月20日
Published Date 1976/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206423
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はじめに
透析器材の整備,透析技術の向上,そしてなによりも慢性透析患者の病態生理についての認識が深まり,患者管理が充実してきたことにより,慢性透析患者の年間死亡率は10%以下となつてきている1).これをさらに低下させるには合併症を予知し,ひとたび発生したら素早く対処することが必要である.
慢性透析中の合併症としての漿液貯溜(腹水,胸水,必嚢内液など)は,多くの場合患者の水分摂取と定期透析時の除水との間の不均衡で起こるが,これの均衡が一応は得られている場合でも,患者体液の体内各com-partmentへの分配異常として発現することもある.すなわち,患者の皮膚は十分脱水され乾燥しているのに,腹水,胸水などが貯つている状態である.また漿液貯溜は低蛋白血症と同時に生じてくることが多い.
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