外科医のための生理学
膵臓の生理
上垣 恵二
1
1都立墨東病院(外科)
pp.53-56
発行日 1976年1月20日
Published Date 1976/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206418
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□はじめに□
衆知のように,膵臓は体中で最も大きい内・外分泌器官であるが,その生理についてはあまり多くが知られていない.とくに私どもはこれに手術侵襲を加える外科医の立場にあるから,膵臓の生理を熟知していることは,術前の検査所見の評価にも役立つし,きめの細かい合目的的な手術を行なうことにも役立ち,結局は,手術成績をよくすることに通じる筈である.ところが,現実は,術後の病態生理もふくめて,深い研究が行なわれておらず,今なお,多くが不明のままになつている.このような事情から,判明している限りにおいて膵臓の基本的な生理を,もう一度,ふりかえつてみることの意義は大きいと思われる.
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