Japanese
English
特集 縫合法—反省と再検討
腱縫合法
Tendon suture method
矢部 裕
1
Yutaka YABE
1
1名古屋保健衛生大学医学部整形外科
pp.1115-1119
発行日 1975年9月20日
Published Date 1975/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206328
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
縫合の指針
腱の使命は筋の強い収縮力を停止部まで伝えることにある.そのため腱縫合法には縫合部離開が生じることなく癒合が完成するだけでなく,周囲と癒着を生じることなく滑走するという2つの要請がある.
かつて行なわれてきた腱縫合法は,確かに縫合時の物理的抗張力が強く,縫合部の離開が生じる危険性は少ないが,traumaticであり,瘢痕形成が強く,周囲との癒着が生じやすい.アキレス腱等周囲が比較的粗な結合織からなつている部においては,この癒着は徐々にとれ,腱は再び滑走をもつようになるが,手指掌側等においては,腱周囲が骨と靱帯性腱鞘であるだけに癒着の解離はほとんどない.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.