Japanese
English
臨床報告
脳膿瘍20例の検討
Brain abscess;a survey of 20 cases
吉本 尚規
1
,
梶川 博
1
,
井口 孝彦
1
,
鮄川 哲二
1
,
宮崎 正毅
1
,
島 健
1
,
日比野 弘道
1
,
石川 進
1
,
魚住 徹
1
,
児玉 求
2
,
土肥 雪彦
2
Hisanori YOSHIMOTO
1
1広島大学医学部脳神経外科
2広島大学医学部脳神経第2外科
pp.1061-1066
発行日 1975年8月20日
Published Date 1975/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206318
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はじめに
脳膿瘍は,頭蓋内占拠性病変が疑われる症例では常に考慮されるべき疾患であるが,脳腫瘍に比して頻度も低く,必ずしも炎症所見を伴つていないこともあつて,脳腫瘍と診断される事が多く,一義的に脳膿瘍と診断される症例はむしろ少ない様に思われる.しかしながら脳膿瘍の治療方法および予後は脳腫瘍と本質的に異つており,今後とも術前診断率向上のための努力がなされねばならない.
今回われわれは,広島大学第2外科教室(現在の主任,江崎治夫教授)で,1959年から1974年(11月)までの約15年間に扱つた20症例の臨床症状,検査所見,治療方法等を分析し検討したので,若干の文献的考察を加えて報告する.これら20症例のうち,はじめの6例については既に教室の中島ら1)によつて詳細な検討がなされているが,今回はこの6例も含めて対象とした.
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