Japanese
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特集 消化管の創傷治癒
異なる臓器間の吻合における創傷治癒—胆管・膵管と小腸
Anastomosis of bile duct and pancreatic duct to intestine
佐藤 寿雄
1
,
高橋 渉
1
,
松野 正紀
1
Toshio SATO
1
1東北大学医学部第1外科
pp.975-982
発行日 1975年8月20日
Published Date 1975/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206304
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はじめに
胆管と腸管との吻合術は,閉塞性黄疸という悪条件下で施行されることが多く,手術手技の面でも通常の消化管吻合よりも慎重な配慮が要求される.また,吻合に用いる消化管も十二指腸を好んで用いるもの,空腸を好んで用いるものなどがあり,その術式間の優劣,術式の適応などに関しても未解決の問題が多い.一方,膵管と小腸との吻合は,主として膵頭十二指腸切除(以下膵頭切除)術後の消化管再建術の一部として,あるいは慢性膵炎に対して膵管の減圧を目的としたドレナージ手術として,あるいはまた膵外傷による膵管断裂の場合などに行なわれる.膵管空腸吻合は他の消化管吻合に比較して縫合不全を起こし易く,一旦発生した場合には出血,汎発性腹膜炎を併発し,また難治性膵瘻をのこすことがある.また膵頭切除の際の残存膵の機能についても多くの問題が残されている.今回は著者らの行なつている胆管と小腸,および膵管と小腸との吻合法について述べ,これら吻合術における2,3の問題点に触れてみい.
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