Japanese
English
臨床研究
胸部食道癌のリンパ節転移に関する検討
The evaluation of lymphatic metastasis for carcinoma of the intrathoracic esophagus
富田 正雄
1
,
古賀 保範
1
,
白石 満州男
1
,
阿部 治美
1
,
綾部 公懿
1
,
武富 勝郎
1
,
柴田 紘一郎
1
,
三浦 敏夫
1
,
釘宮 敏定
1
,
調 亟治
1
,
辻 泰邦
1
,
中山 巌
2
Masao TOMITA
1
1長崎大学医学部第1外科
2長崎大学医学部中検病理
pp.593-597
発行日 1975年5月20日
Published Date 1975/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206243
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はじめに
食道癌の術後の予後を向上させる1因子としては,リンパ節廓清とともに癌巣を十分に切除することにある.
食道のリンパ流に関しては縦軸方向の経路が指摘され,頸部食道では左右の旁気管リンパ節,深頸リンパ節の経路,胸部食道では旁気管および後縦隔リンパ節の経路,腹部食道では噴門リンパ節経路が指摘されている1).
しかしながらGarlock2)が述べるように,悪性腫瘍による正常リンパ路の閉塞によりparadoxe lymphbahnの存在を考えるとき,本症のリンパ節転移は複雑な形式をかもし出すものと想像される.そのため本症の外科的治療とくにリンパ節廓清の範囲も複雑多岐なひろがりにまでおよぶものと考えられる.
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