Japanese
English
臨床報告
急速に狭窄をきたした食道潰瘍の1治験例
A case of esophagus ulcer abruptly associated with stenosis
池田 雄祐
1
,
浜田 稔
1
,
志智 重之
1
,
池田 栄一
1
,
荻田 征美
1
,
番場 敏行
1
,
佐々木 廸郎
1
,
市川 健寛
1
,
井林 淳
2
Yusuke IKEDA
1
1国立札幌病院・北海道がんセンター外科
2国立札幌病院・北海道がんセンター消化器科
pp.251-255
発行日 1975年2月20日
Published Date 1975/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206197
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はじめに
食道潰瘍は食道癌に比較して,はるかにまれな疾患である1).したがつて,それと食道癌との鑑別診断は重要であり,また,時にこの鑑別が非常に困難な場合がある2).
われわれは最近,特異な経過で高度の狭窄を伴つた食道潰瘍の1症例を経験した.胃全摘術後などの噴門機能廃絶による逆流性食道炎に起因する食道潰瘍は比較的多いが,本症例のように出産後高度の食道狭窄が急速に出現した症例は極めて少ないと思われる.そしてわれわれは,このような高度の狭窄を示した症例に対し,食道癌との鑑別診断に苦慮し,またかかる病変の成立機転を推測させる若干の病理組織所見を得たので報告する.
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