Japanese
English
臨床報告
脾類表皮嚢腫—附.本邦報告例についての文献的考察
Epidermoid cysts of the spleen
松尾 武
1
,
中山 巌
1
,
田口 尚
1
,
親川 幸信
2
,
角田 司
2
,
植田 成文
3
Takeshi MATSUO
1
,
Yukinobu OYAKAWA
2
,
Naribumi UEDA
3
1長崎大学医学部病理学第1教室
2長崎大学病院検査部
3長崎大学医学部第1外科
pp.1218-1222
発行日 1974年10月20日
Published Date 1974/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206131
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はじめに
脾嚢腫はまれな疾患であり,病因・種類に多くのものが知られているが,なお未整理な事項が残されている.本疾患に特有な臨床症状または検査所見もなく,脾嚢腫を術前に発見できるのは一部に限られ,多くは時間が経過し,腫瘤として触れてはじめて認知されるか,手術や剖検により偶然発見されるのが現状であろう.1953年Fowler1)が脾のNonparasitic Benign Cystic Tumorsを組織学的,病因学的に分類して以後,それに類した分類が広く用いられている.その中で類表皮嚢腫は,脾嚢腫の数%を占めるにすぎない,われわれは過去2年間に2例の脾類表皮嚢腫を経験したのでここに報告するとともに,本邦における脾類表皮嚢腫の報告は,今日まで17例に達するので,外国の報告例も参老にして,本邦例につき文献的考察を加えた.
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