Japanese
English
臨床報告
胆嚢膠様癌の1例
A case of colloid cancer of the gallblader
河野 通文
1
,
田代 征記
1
,
坂口 潮
1
,
持永 瑞恵
1
,
横山 育三
1
Michifumi KAWANO
1
1熊本大学医学部第1外科学教室
pp.1213-1217
発行日 1974年10月20日
Published Date 1974/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206130
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はじめに
胆嚢癌の多くは,診断困難で,たまたま胆石症の診断で開腹してはじめて発見されたり,また診断できた時点では,すでに手術不能であることが多く,その予後も芳しいものではない.組織学的には,その90%余りは腺癌であるが,そのうち膠様癌の占める率はきわめて低く,全胆嚢癌の2.2〜8%にすぎないといわれている1-5).
われわれの教室では,1963年より1974年3月までの間に33例の胆嚢癌を経験したが,うち膠様癌は1例であつた.この例は,黄疸を主訴とし,術前診断は肝内および総胆管内結石兼胆嚢癌の疑いであつたが,手術により胆嚢膠様癌であることが確かめられた.この症例を報告すると共に,胆嚢膠様癌について若干の文献的考察を試みたいと思う.
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