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特集 外傷救急診療におけるDo's & Don'ts
四肢外傷—救急処置室におけるDo's & Don'ts
Limbs injury: Do's & Don' ts in the emergency room
三浦 隆行
1
Takayuki MIURA
1
1名古屋大学分院整形外科
pp.1009-1011
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206098
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はじめに
スポーツ,交通事故,労働災害において四肢の受ける災害頻度はきわめて高い.四肢外傷とくに開放創を伴う場合には初期治療の適否が以後の経過に重大な影響を与えるにもかかわらず患者の大部分は最寄りの医院,病院に収容されてその初期治療を受ける.患者自身に医療機関選択の余地がほとんど残されていない災害救急の現状からは,幸に熟達した医師と設備の整つた病院に収容された場合は良好な経過を辿り,逆の場合は悲惨な結果に終ることのないようすべての外科,整形外科医が自らの力量と設備に相応した救急処置室におけるDo'sとDon'tsを十分に熟知していなければならない.すなわち既に2次再建手術に熟達した医師にとつては"やつてよいこと","すべき処置"であつても,それに熟達していない医師にとつては"して悪い処置"となり,またたとえ熟達した医師であつても病院の設備によつては"して悪い処置"となる.それ故本稿では現代医学の最良,最高の治療指針としてのDo'sとDon'tsを示すのではなく,1人の四肢外傷患者が将来誤つた初期治療のために悲惨な運命を辿らないためにすべての外科医が心得るべきDo'sとDon'tsについて私見を述べたいと考える.
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