Japanese
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特集 外傷救急診療におけるDo's & Don'ts
泌尿器外傷—救急処置室におけるDo's & Don'ts
Urinary injury: Do's & Don'ts in the emergency room
宍戸 仙太郎
1
,
杉田 篤生
1
Sentaro SHISHITO
1
1東北大学医学部泌尿器科学教室
pp.1001-1004
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206096
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はじめに
最近交通機関の発達により交通戦争といわれるほどの交通事故の激増や,産業の隆盛に伴う労働災害,各種スポーツによる外傷などの増加がみられ,泌尿器外傷の発生頻度の増加がみられている.そこで尿路系の外傷性損傷の発生頻度についてみると,金沢ら1)の1964年1月より1966年12月までの3年間の統計によれば,医療行為によるものを除いた全尿路外傷総数は675例,このうち尿道外傷が348例(51.5%)で過半数を占め,腎外傷が264例(39.1%)でこれにつぎ,膀胱外傷35例(5.2%),膀胱尿道外傷が18例(2.7%),不明10例(1.5%)で,下部尿路外傷が上部尿路外傷の約1.5倍の頻度を示していたと述べている.私たちの教室においても,泌尿器外傷として最も多く経験されたのは尿道損傷であり,ついで腎損傷,膀胱損傷の順であつたが,尿管損傷については金沢らの報告でもみられなかつたように,私たちも交通事故や労働災害などで損傷を受けた症例は経験していない.尿管損傷が発生する場合としては,まず第1に骨盤腔内臓器の手術時であり,第2には内視鏡的操作の場合であつたので,本稿では省略する.
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