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特集 外傷救急診療におけるDo's & Don'ts
頭部外傷—救急処置室におけるDo's & Don'ts
Head Injury: Do's & Don'ts in the emergency room
早川 勲
1
Isao HAYAKAWA
1
1都立墨東病院脳神経外科
pp.979-981
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206089
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はじめに
頭部外傷の重大性が論じられ,それを専門的に取り扱える脳神経外科施設の全国的整備の必要性が唱えられてすでに久しい,爾来,たしかに施設の整備は進んだが,しかし,その結果として,頭部外傷患者の治療成績がいかほど向上したか,筆者は寡聞にしてその詳細を知らない3).特に,本邦において,その実際的必要性にもとづいて設置された脳神経外科施設が脳損傷患者の系統的治療体系をあまり考慮せずに設置されたために,特に,重症頭部外傷患者の治療が有機的に,効率よく行なわれていない傾向がある.10年以上も前であつたら,脳神経外科医の扱う頭部外傷は,頭蓋内血腫だけでよかつたかもしれないが,頭部外傷で問題なのは頭蓋内血腫だけではない.否,頭蓋内血腫にしろ,われわれはかつてはあまり問題にされなかつたような発症経過を示すものを,実際に頭部外傷患者の治療を手がけるようになつて知るようになつた.
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