Japanese
English
特集 外傷救急診療におけるDo's & Don'ts
頸部外傷—救急処置室におけるDo's & Don'ts
Cervical trauma: Do's & Don'ts in the emergency room
佐野 進
1
,
松谷 貫司
2
Susumu SANO
1
,
Kanji MATSUYA
2
1陸上自衛隊仙台地区病院外科
2陸上自衛隊仙台地区病院整形外科
pp.989-991
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206092
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
頸部外傷は各論的な各器官についての報告が主となり,従来の救急措置の文献をひもとくと,不思議と総合的なものが少なく,頭部外傷から胸部へとすぐに移つているのは,頸部が狭小な部位にもかかわらず中枢とをつなぐ神経,血管はいうに及ばず,呼吸器,消化器あるいはこれらのすべてを支持する頸椎等の重要な器官が錯綜して存在するので,一度,大きな外傷をうけると即死し,あるいは救急室に運ばれてきた時は,もはや絶望的のものが多いので関心の薄かつた外傷といえるであろう.命題が頸部外傷に限定されているものの,その原因をみても切創,刺創などの開放性損傷や,鈍性の外力,特殊のものとしては固形物あるいは腐食性の液体の誤飲などがあり,救命措置も非常に難かしく,時には一見しただけで反射的な判断を下さなければならぬ必要性にもせまられてくる.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.