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特集 外傷救急診療におけるDo's & Don'ts
頭部外傷—手術室におけるDo's & Don'ts
Head injury: Do's & Don'ts in the operating room
深井 博志
1
Hiroshi FUKAI
1
1川崎医科大学脳神経外科
pp.982-985
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206090
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はじめに
頭部外傷急性期に手術室でなされる処置といつても,外傷が(A)頭部のみに限局する場合,(B)頭部以外の顔面,頸部以下の身体にもあり多発重複損傷・障害を合併する場合,また手術目的が(C)救命を第1とするか,(D)外傷に続発し生命あるいは脳機能を損うような合併症・後遺症の発生の予防的処置であるかにより,治療方針も内容も異なつてくる.また上記(A)の場合でも,損傷が①頭皮・頭蓋軟部のみに留まり脳実質の健全なもの,②頭蓋骨・静脈洞・硬膜などのみの損傷のもの,③脳実質に及んで脳障害を伴うもの,④以上のいろいろな組合せの場合もある.さらにまた⑤開頭前に頭蓋内血腫が疑われていても硬膜上下のいずれか分からないもの,⑥開頭したら術前診断と異なる頭蓋内病態で手術方針・処置を変えなければならぬ場合もあり,手術室での処置も様々である.限られた紙面でこのすべてに言及することはできないので,上記(A)の場合の手術室でする処置について気づくまま筆を進める.付表はその最も遭遇しやすい頻度順に列挙した,手術を必要とする頭部外傷の病態であるが,この中の主なものについて述べる.
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