Japanese
English
特集 外科医のための臨床検査
肝・胆・膵疾患と臨床検査
Evaluation of laboratory data for surgical approach of hepatic, biliary and pancreatic diseases
菅原 克彦
1
,
柏井 昭良
1
,
河野 信博
1
,
三谷 進
1
Katsuhiko SUGAHARA
1
1東京大学医学部第1外科教室
pp.1413-1419
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205902
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肝・胆・膵の外科的疾患患者の診療を行なうさい,とくに重要なことは,精密な問診と,正確な現症の把握により,入院時診断を行ない患者の全身状態をまず把握することである.次いで計量診断表1)でえられた結果に基づいて,疾患部位を想定し,疾患の重症度や全身状態に応じて重点的に必要な診断過程を経て,最終診断に到ることになる.時には,肝障害さらには体液的な平衡状態の破壊により,状態が悪化し僅かの侵襲を加えることすら,かなり危険なことがあるので,この領域の診療にあたつては疾患の病態さらには臨床検査の価値をよく理解し,診断に必要な臨床検査を適宜,取捨選択することが求められる.
この領域の疾患に対する臨床検査には,病変の部位や範囲を解剖学的に知り,より根治的な治療を行ないうるか否かを判定するための検査と2),外科治療に特有なものであるが,患者が手術侵襲に耐え得るか否か,また手術前にどの程度の補充療法が必要であるかを知るための検査が含まれる.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.