Japanese
English
特集 胃全剔
適応の吟味
手術成績からみた手術適応
Indication for total gastrectomy
西 満正
1
,
末永 豊邦
1
,
木原 晃一
1
,
永田 政幸
1
,
肝付 兼達
1
,
黒木 敦郎
1
,
八反丸 健二
1
,
福元 俊孝
1
,
福島 正明
1
,
橋口 良紘
1
,
阿久根 務
1
,
加治佐 隆
1
Mitsumasa NISHI
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.301-309
発行日 1974年3月20日
Published Date 1974/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205987
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はじめに
最近,消化器疾患に対する診断は進歩し,とくに胃疾患,なかんづく胃癌においてはめざましいものがある.その研究の関心がより早期の症例の診断治療に向けられているにもかかわらず,進行癌はあとをたたない.このような現状の中で,以前は危険視されていた胃全剔が麻酔,抗生物質,再建術式の発達普及や術前術後管理の改善向上などにより,比較的安全に行なえる手術の1つとなつてきた.
胃全剔については今日まで幾多の研究業績があるが,なお未解決の問題点が少なくない3)5)7).その手術適応の決定にあたつては患者の全身状態,局所所見,周辺臓器の検索,臓器脱落による術後機能障害の程度,その治療効果による予後の検討など,いろいろな要素が考慮されねばならない.以下著者は第73回日本外科学会総会における「胃全剔の手術適応と再建術式」のシンポジウムでの発表を含めて,手術成績からみた手術適応について論述する.胃の全領域にわたるような表層進展型の胃癌に全剔の適応があることは自明の理である.問題となるのはどの程度の進行癌に対して全剔の適応があるかどうか,あるいは手術成績からみて全剔してよかつたと思われるような因子は何かというようなことである.
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