Japanese
English
特集 外科と栄養—高カロリー輸液の問題点
上大静脈内高カロリー栄養輸液による術後イレウスの保存的治療
Conservative therapy for postoperative ileus under intravenous hyperalimentation
工藤 正純
1
,
後藤 洋一
1
,
高杉 信男
1
,
長谷川 正義
1
Masayoshi KUDO
1
1市立札幌病院第1外科
pp.1721-1724
発行日 1973年12月20日
Published Date 1973/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205939
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はじめに
腹部大手術後に往々にして発生するいわゆるイレウス状態には,およそ2つの場合が考えられる.その1つは重なる再手術に体質的なものが関与する漿膜の線維性癒着による場合であり,もう1つは縫合不全などに起因する限局性,汎発性の感染による場合である.いずれの場合も局所的,全身的な悪条件のために,ときには発症後早期の再手術に多大の困難が伴う場合がすくなくない.
このように特に困難な症例に対しわれわれは上大静脈内高カロリー栄養輸液法を応用して,ある期間保存的治療を試み,症例によつては適時手術療法に切りかえて腸閉塞を解除させ,満足すべき成績を得ているので,症例をあげてその問題点につき検討したい.
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