ここまできた日本の医療・16
HPN,家庭でできる静脈内高カロリー輸液—真島吉也・千葉大学医学部第一外科講師に聞く
pp.484-487
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921395
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IVHからHPNへ
──昨年の3月1日にIVH(Intravenous Hyper-alimentation・静脈内高カロリー輸液)の家庭版ともいえるHPN(Home Parenteral Nutrition)が健保適応となったそうですが,最近の事情と現在までの経過について話していただけますか.
ご存知のように,IVHは1968年にDudrickらが始めたもので,経腸栄養摂取の不可能な患者に対して鎖骨下の静脈などからカテーテルを挿入して,直接栄養を補給し,生命維持を図る方法です.これによって癌末期の患者や,クローン病,潰瘍性,結核性の大腸炎などによる腸瘻の患者の栄養補給ができます.また,手術前に極度の栄養不良におちいっている食道癌や胃癌,あるいは大腸癌などで亜イレウス状態にある患者の術前栄養改善,ひいては手術リスクの軽減が非常に容易になりました.
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