カラーグラフ 臨床病理シリーズ・15
胃疾患の肉眼診断・7
Ⅲ.胃腸管のポリポージス
佐野 量造
1
1国立がんセンター病理部
pp.600-601
発行日 1973年5月20日
Published Date 1973/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205797
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1.胃の腺腫性(または再生性)ポリープ
胃の再生性ポリープの分類(Monacoら)はその分布によつて,1)単発性(single polyp),2)散在性(di-screte polyps),3)限局性(localized polyposis),4)びまん性(diffuse polyposis)に分けるのが便利である.もつとも多く経験されるポリープは単発および散在性で限局性およびびまん性ははなはだまれである.症例36は限局性ポリポージスでMonacoらの定義にしたがうと1局所に限局して50数個以上のポリープが密集しているものである.この症例はほとんどが良性のポリープであるがそのうちの1個に癌化が認められた.限局性ポリポージスは集族型のⅡaまたはⅠ型の隆起性癌と鑑別が必要である.症例37はびまん性ポリポージスで胃の全野に無数のポリープが存在している.腺腫性ポリープはどの型がより癌化し易いということはなく,いずれのものも径2cm以上のものは癌化している頻度がたかい.
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